『ロボ・G』
桂三枝創作落語『ロボ・G』のあらすじ
父親が家族で鍋をしようと、材料を買って帰ると、娘は父親が帰ってきたと聞いて出かけて行ったという。母親は「父親を嫌う時期なんだ」というが、父親はヤマンバ姿の娘を見て心配している。この先、年金もあてにならないし、最後の頼みは娘なのだから、もう少し親の面倒を見るような娘に躾けておきたいのだ。
そこで父親が思いついたのは、週刊誌に載っていたロボ・G。介護用に開発されたおじいさんのロボットが、遊び感覚で年配者に対する優しい気持ちを身につけられるというのだ。やたらと早起きしたり、だんだん物を忘れていったりと、精巧にできているおじいさんロボットに両親は手を焼くが、高校生の娘はやけに仲良くやっている。
そうしてロボ・Gと仲良くなった娘は、寄り道もせずに家に帰ってくるようになり、服装や髪の色もまともになり、親を大事にするようになった。そして大学進学、その後商社に就職し、いい伴侶を見つけて結婚、今は夫の海外赴任でブラジルに住んでいる。
ある日、父親が家に帰ると、母親が「さっき子どもが生まれたという連絡があったところだ」という。父親は、これもロボ・Gのおかげだと感激するが、ロボ・Gは金属疲労と回路の故障で今は動かなくなってしまっている。ロボ・Gのおかげでいい娘になったのは思惑通りだったが、自分達の面倒を見てもらおうと思っていたのが海外赴任になってしまったのは残念。父親が妻に「お前と二人きりでは寂しいな」というと、妻が「私はそんなことない」という。なぜかと聞くと、「ロボットの亭主を買ってきた」というサゲ。
桂三枝創作落語『ロボ・G』の感想
おじいさんロボットという設定がいいですね。介護の練習用に開発されたロボットが、ゲーム感覚で一般家庭で使われるということになっているのですが、この先本当にそういうことになったりして(笑)。私はあまり興味がないのですが、ペットロボットもお金出して買う人たくさんいますもんね。
娘の高校生がヤマンバ姿なのが時代を感じますが、この部分はそのときどきの流行に応じて変えるのかな。でも、服装の流行はともかく、親子関係が時代によって変わっちゃったら、この「お父さんを疎ましく思う娘」という設定の落語はしにくくなるのかもしれませんね。
それにしても、三枝さんの創作落語は、子供に馬鹿にされるお父さん、その父子を「よくやるなぁ」と言わんばかりに冷静に見ているお母さん、というものが少なくないですね。世間にそういうパターンが多いのかもしれないけど、もしかしてもしかしたら三枝さんちがこんな感じ??まあ、実際はそのパターンが一番落語にしやすいということなのかもしれません。
桂三枝創作落語『ロボ・G』が聴けるCD
『桂三枝大全集 創作落語125撰 第1集