『コテコテ劇場 男の花道』
桂三枝創作落語『コテコテ劇場 男の花道』のあらすじ
温泉劇場に付いている大衆演劇の一座が、温泉宿の閉鎖によって解散することになった。一般の男性の伴侶におさまる人、老人ホームに御世話になる人と、解散後の落ち着き先はそれぞれだが、皆大衆演劇の中で長く暮らしてきたので身振り手振りが普通でない。
知り合いのイタリアンレストランでウェイターとして働くことになった座長は、ある日支配人に呼び出される。場にそぐわないウェイターがいると客から苦情が来ているとのこと。試しに席への案内から注文の取り方などやってみせてもらうと、見得は切るし、動作は大げさだし、話にならない。普通の振る舞いができるまでは店に出なくてよいと言われ、座長は必死に振る舞いを直す。
1ヵ月後に支配人のOKが出て店に出ていると、一座の一人が結婚の報告に店にやってくる。大げさに喜んで、大衆演劇時代の身振り手振りで話す男に、座長は支配人に言われた通りの普通の対応をするばかりで、男にとっては物足りない。ずいぶん冷たいと嘆く男に、連れの女性が「人目を余計にひかないよう、気遣いでやっている演技だろう」と諭す。すると男が「ずいぶん演技が上手くなったなあ」というサゲ。
桂三枝創作落語『コテコテ劇場 男の花道』の感想
この落語は、いくら言われても大衆演劇の振る舞いが抜けないところが面白いので、ぜひ映像を見たいところですが、残念ながら私はCDで聴きました。CDでも途中で三枝さん自身が「一人でやっていてアホやがな」とぼやくぐらい、めちゃくちゃ力が入っているのがわかるし、勝手に想像して笑っちゃいますね。
支配人から注意を受けるときに、「眉毛を動かさなくていい」という注意を何度もされるので、相当顔を動かしているのでしょう。この落語を演じたら、顔が筋肉痛になってしまいそうです(笑)。
最後の立ち居振る舞いが大げさな団員と、普通の振る舞いをする座長のやりとりなんかはこの目で見たら本当に面白そう。私は、騒がしい人を演じているときの三枝さんよりも、すっとぼけているような人を演じている三枝さんが一番面白いと思っているのですが、この場面での座長などはまさにそんな感じです。
桂三枝創作落語『コテコテ劇場 男の花道』が聴けるCD
『桂三枝大全集 創作落語125撰 第8集