『あぶない理髪師』
桂三枝創作落語『あぶない理髪師』のあらすじ
仲間内で集まると、仲間の一人が顔を絆創膏だらけにしてやってきた。何でも仕事のついでに普段と違う散髪屋に入ったら、夫婦喧嘩をしながら仕事をするので、顔が傷だらけになって大変な目にあったと言う。それは面白いので、誰かをそこに行かせて笑ってやろうと悪巧みを思いつく。ちょうど町内の気障な男が来たので、その男でイタズラをすることに。
皆で金を出すから散髪をしてこいという提案に男は最初不審がるが、実は切るのがうまいという評判の店があるのだが、皆髪を切ったばかりなので誰かちょうどいい人に行ってもらって様子を見たいのだというと、男もその気になる。皆で店に着くと主人だけで奥さんがいない。夫婦喧嘩がなくては面白くないので、「美人の奥さんがいると聞いてきたんだが、奥さんはいないのか」と聞くとすぐに帰るはずだと言うのでやってもらうことにし、気障な男はさっきと話が違うと怪しむが無理矢理散発を始めてもらう。
すると奥さんが帰って来て、思惑通りに喧嘩が始まる。気障な男は顔中傷だらけになって、ついには前掛けをしたまま逃げ出すのを見て、皆大笑い。楽しませてもらったとお金を払って帰って行く。
客が帰ると、奥さんが「喧嘩を売り物にしてからずいぶん客が増えたね」と。旦那も「やはり他と違うものを売り物にするのが一番だ」と。客がいない時間には仲良くケーキを食べる二人だったというサゲ。
桂三枝創作落語『あぶない理髪師』の感想
CDの解説によると、桂三枝が実際にこのような体験をしたことから生まれた落語だとか。昔は家族ぐるみで散髪屋を経営していたもので、中学生の坊主としてそういうお店に行ったときに、修行中の息子の練習台にされて、実際に桂三枝もその店を出るときにはメンソレータムを顔に塗りたくられて帰ってきたのだそうです(笑)。
また、夫婦喧嘩をする散髪屋というのも実際にあって、ちょうど旦那が朝帰りをしたときに客としていったら、奥さんが殺気立っていたのだそうです。こういうお店って探そて行こうとしてもなかなかないと思うのですが、桂三枝はよほど散髪屋運が悪いのでしょうか(笑)。
桂三枝創作落語『あぶない理髪師』が聴けるCD
『桂三枝大全集 創作落語125撰 第14集