『熱援家族』
桂三枝創作落語『熱援家族』のあらすじ
休日に遅くまで寝ていたお父さん。起きてから息子と久しぶりに話そうとすると、息子はこれから出かけると言う。どこに行くのかと思ったら、あややのコンサートに行くとのこと。ファンクラブのリーダーをやったり、あややの写真を撮っていたりして、高いカメラを買わされたお父さんは勉強しろと怒り出す。
他の家族はどうしたのかと息子に聞いてみたら、お母さんは氷川きよしのコンサートに行ったとのこと。娘が嵐に会いに行ったと聞いて、台風の来ているところに出かけたのかと心配するお父さんだが、嵐が人気グループだと知って、この家族はどうなっているのかと嘆く。おばあちゃんも美空ひばりを偲ぶ会の幹事の集まりに行っているが、おじいさんは部屋にいると聞いて、おじいさんはさすがにまともだなと安心していると、部屋にいてマライア・キャリーにファンレターを書いていた。
この家族はどうなっているのか、応援するなら一生懸命働いている自分を応援しろとふてくされながら、お父さんは外出する。集まっていた仲間に、遅かったがどうしたのかと聞かれ、家族中が芸能人に熱を上げていて、人が稼いだ金をそんなことに使うのかと怒ってしまったのだと言う。仲間が「私たちも他人のことは怒れませんよ」というと、お父さんは「私たちは人目を忍んでひっそりやっているのに、誰はばかることなく応援している家族たちが羨ましくて怒ってしまったのだ」という。実はこの集まりは、讀賣巨人軍ファンクラブ西宮支部の集まりだったというサゲ。
桂三枝創作落語『熱援家族』の感想
芸能人はファンがあってこその商売ですが、熱を上げている様子を傍から見ると、笑いのネタにできる部分はありますよね。特にこの落語のお父さんみたいに、家族のために稼いだお金が芸能人に流れているかと思うと、複雑な気分かも(笑)。他人を応援するくらいなら、自分を応援してくれというのもわかる気がします。
ちなみに、「桂三枝大全集 創作落語125撰 第41集」によると、三枝さん自身は誰かの熱狂的なファンになったことはないのだそうです。憧れの人は、花菱アチャコ、藤山寛美、西条凡児とのことで、誰か一人というより、皆さんのいいところを吸収しようということなんですね。