『立候補』
桂三枝創作落語『立候補』のあらすじ
お母さんからとにかく急いで帰ってこいという電話をもらい、家に帰ってきたお父さん。何を慌てているかと思ったら、息子のあつしが小学校の児童会の会長に立候補して、明日演説会があるというのだ。何をしゃべったいいのかわからないという息子に、旅行会社の営業をしているお父さんなら、いい演説を考えてくれるだろうと、こうして早く帰ってきてもらったという訳なのだ。
どうして立候補したのか、お父さんが息子に聞いたところ、友達に「お前なら知名度もあるから、思い出作りにやってみよう」と言われたという。なぜ知名度があるのかと聞いてみると、女の子にいたずらして廊下に立たされたから知名度があるという。うんざりしながらも、他の立候補者の小泉君と鳩山君の情報も得て、お父さんは演説の文章を考え始める。
翌日、お父さんは会社に出勤したものの、息子の演説会が気になり、小学校にこっそり行ってみる。すると、お母さんまで来ていた。自分が書いた演説が、どう聞かれるかが気になるというお父さんに、実は演説を書いた紙を忘れたので届けにきたらもう始まっていたのだという。
校庭では、鳩山君の演説が終わって、これから小泉君の演説。とても小学校の立会演説会とは思えない立派な演説を聞き、息子が大丈夫と心配する二人。すっとぼけたことを言いながらも、いいことも言っている演説をしたあつしくん、後は選挙結果を待つばかり。
開票の日、お父さんは急いで家に帰って選挙結果を聞くと落選したという。さぞ息子もがっかりしているだろうと思ったら、全く気にせず元気。選挙結果を詳しく聞いてみると、鳩山君より票を獲得し、小泉君とも何と1票差だったという。お父さんがあつしに、1票差で悔しくないのかと聞くと、「悔しくないで。僕も小泉君に1票入れたんだ」というサゲ。
桂三枝創作落語『立候補』の感想
思い出作りで小学校の児童会の会長に立候補するあつしくんですが、今は受験の際の内申書のためにやりたがる子も多いのではないのでしょうか。落語の中の世界がのんびりしているのに対し、現実は世知辛い世の中ですね。
「桂三枝大全集 創作落語125撰 第44集」に収録されているものは、2002年2月に収録されたものなので、対抗する立候補者が小泉君と鳩山君になっています。落語の中に小泉君の演説があって、鳩山君の演説がないのは、小泉元首相の真似はしやすいけど、鳩山元民主党代表の真似は難しいということでしょうか(笑)。今、この落語をやったら、麻生君と小沢君ということになりますね。麻生首相の真似の方が簡単かな??
現実の話といえば、「桂三枝大全集 創作落語125撰 第44集」に収録されているものは、マクラで三枝さんが実際に友人の選挙の応援に行った話をしています。誰とは明言していませんが、西川きよしさんのことですね(笑)。