『国技・インターナショナル大相撲』
桂三枝創作落語『国技・インターナショナル大相撲』のあらすじ
親方が日本相撲協会の理事長に呼ばれた。最近、親方の部屋でも外国人力士が増えたということで、誰がどこの国出身だかわかりやすいよう、イギリス人には「テムズ川」、イタリア人には「サンタルチア」、ロシア人には「ピロシキ」という四股名をつけている親方に、理事長はもっと強そうな四股名にしろと注意される。
ついでに他の部屋の外国人力士の話を聞いてみると、アラスカ出身の力士は日本の冬でも暑いと冷房をつけて、部屋の皆が風邪をひいている。インド出身の力士がちゃんこ番をしている部屋では、毎日カレーでうんざりしている。といった様子で、外国人力士を抱えている部屋は皆苦労しているという。
理事長は親方を呼んだ用事はもう一つある。今度、海外の放送局でも相撲中継をすることになったので、審判にも英語を勉強してもらって、物言いがついたときの説明を英語でもやってくれという。親方は自分は英語を話せないといって嫌がるが、理事長は予算もつけるからがんばってくれという。
しばらくしてから、相撲用語の英訳を統一しようと勉強会が開かれる。「化粧回し」は"decorated apron"、「床山」は"hair stylist"、「呼び出し」は"caller"といった具合で、皆どうも雰囲気が出ないとぶつぶつ言いながらも、一生懸命メモして勉強する。
さて、場所が始まり、ある取り組みで物言いがつく。テレビの中継でも、今場所から物言いの後の説明を、日本語・英語両方ですることが紹介され、場内は英語の説明に注目する。日本語の説明が「朝青龍の足が出るのと、若の里の手が着くのが、同体とみて取り直し」であったのに対し、英語の説明は"This match again"だけ。
親方はまた理事長に呼ばれて、英語の説明がひどすぎると怒られる。自分は無理だから変えてくれという、親方にそういわず頑張ってくれという理事長。話はまた外国人力士の話になり、アメリカとイギリスの力士は土俵下に控えるときは椅子に座りたいといったり、ブラジル人が花道を歩くときに音楽を掛けてくれといったりして大変だという話をしている。
そこに他の親方が慌ててやってくる。力士が団体で自分達の主張を聞け、聞かないと土俵にあがらないと言っているという。どんな主張か聞いてみると、髪形を個人の好きにさせてくれ、ちょんまげは嫌だというのだ。理事長が、そんな主張をしているのはどこの国の力士だと聞くと、日本人だというサゲ。
桂三枝創作落語『国技・インターナショナル大相撲』の感想
外国人力士はますます増えるばかり。実際の外国人力士の四股名も、この創作落語ほど奇妙ではないけど、出身地が織り込んでありますね。内舘牧子さんなんかはセンスがないなどと言っているようですが、私はそんなに悪くないし、名前見ただけでどこ出身かわかるし、いいと思うんですけどねぇ。
それにしても、角界の最近の不祥事の多さは落語で笑ってもいられないくらいですね。薬物や、シゴキのせいで弟子が亡くなってしまった事件などは、「スキャンダル」というレベルではなく、警察沙汰ですし。。。創作落語を笑って楽しく聞けるためにも、現実の角界にはもうちょっとしっかりして欲しいところです。