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桂三枝の創作落語あらすじメモ

桂三枝の高座を実際に聞いて、面白いと思い、創作落語のCDを聴くようになりました。どの演目がどんな内容だったかという自分用のあらすじメモを兼ねて、桂三枝の創作落語を紹介していこうと思います。

CurrentIcon 『年寄りの冷や球(たま)』

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桂三枝創作落語『年寄りの冷や球(たま)』のあらすじ

明日草野球の試合があるピッチャーが、居酒屋で酒を注文している。仲間が明日の試合のためにやめろと言うと、明日は楽勝だから大丈夫だという。こちらは商店街の草野球のチームとはいえ、工業高校のOBだけで作ったチームで、全国商店街草野球大会で優勝したことがある。それに対して、相手は老人のチームだから負けるわけがないのだ。

すると話を聞いていた仲間が、明日は負けられない訳があると言う。自分の家の寿司屋も、あちこちにできた回転寿司のせいで客足が落ちている。そこで、商店街から場所を移して盛り返し、将来はチェーン店にしようと親と自分で話している。だが、お祖父さんがそれに大反対で、自分達の店が最後の1店になってもこの商店街でやっていくと言ってもめている。そこで、お祖父さんが監督をしているチームと野球で勝負しようということになり、もしお前達の商店街チームが勝ったら、店も好きにしていいし、プレゼントとして貯金を下ろして100万円をあげるという。

ピッチャーの男がもう100万円をもらったつもりで喜んでいると、仲間の男は「お祖父さんが勝てる見込みがなくてそんなことを言うわけはない。何か勝てる見込みがあるはずだ」という。実は、お祖父さんのチームは商店街の店に集まっているので、チームの一人を偵察に行かせたのだというと、ちょうど偵察していた男がやってきた。

偵察の男が言うには、絶対勝てるとのこと。皆よれよれで、2階の座敷に昇っていくのもやっと。お餅を喉につまらせるお祖父さんもいたし、ユニフォームには何かあったときのために血液型が書いてあるくらい。サインも大声で説明していたので聞いてきたが、老人達がちゃんとわかるような大きなジェスチャー。ミーティングでもバットを杖代わりにするなとか、お手洗いは早めに行っておけなどの注意しかしていない。もう一人練習風景を偵察にいった男も来て、その男もまともに運動できない老人だから絶対勝てると言っている。それを聞いて皆安心して、酒を飲み始める。

一方、あるマンションで、老人チームの本当のミーティングが始まる。昼間の練習風景や、先ほどのミーティングは、偵察を油断させるための演技だったのだ。本当のサインは、監督がオーバーなジェスチャーをやっている横で、マネージャーのお祖母さんが出す。相手ピッチャーの分析もしっかりした上に、知り合いの伝手でプロ野球選手に老人に変装して代打で出てもらうことを頼んであるという。

試合が終わって、結果は5対1で老人チームの勝ち。お祖父さんのところに孫がやってきて、途中で出てきた代打の選手がどうも怪しいと言い出すが、お祖父さんはたとえお前の思っているようなことがあっても、その後に点が入っているんだからこちらの勝ちだという。孫は自分達の負けだと認めて、店はお祖父さんの言うとおり、最後の1店になっても続ける。また、65歳以上の地域のお客さんは2割引しようと商店街の皆で決めてきた。

ただ、チームが負けて、皆が自信をなくしてしまっているので、もう一度だけ試合をしてくれと孫が頼むが、お祖父さんはだめだと言う。選手の一人が打ち上げの席でクモ膜下出血で倒れてしまったのだ。もう野球はやらないことにした。「もともとお前らとは野球をするつもりはなかった」とお祖父さんが言うので、孫が「昼間やったのは野球じゃないのか」と聞くと、「野球じゃなくて、お前らにお灸をすえたかったのだ」というサゲ。

桂三枝創作落語『年寄りの冷や球(たま)』の感想

スポーツは遊びでやっていても、やり始めると本気になりますよね。ましてや今後のお店の経営をかけた試合となったら、そりゃ騙すこともあれば、プロに頼みたくもなるでしょう。完全に老人チームの作戦勝ちですね(笑)。

桂三枝大全集 創作落語125撰 第57集」によると、三枝さんとお弟子さんとで作っている草野球チームがあって、平均年齢67歳のチームと試合をしたときに、32対0で負けたのだそうです(笑)。落語より現実の方が差をつけられちゃいましたね(笑)。

桂三枝創作落語『年寄りの冷や球(たま)』が聴けるCD

桂三枝大全集 創作落語125撰 第57集
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