サイトイメージ

桂三枝の創作落語あらすじメモ

桂三枝の高座を実際に聞いて、面白いと思い、創作落語のCDを聴くようになりました。どの演目がどんな内容だったかという自分用のあらすじメモを兼ねて、桂三枝の創作落語を紹介していこうと思います。

CurrentIcon 『暖簾』

このエントリーをはてなブックマークに追加 

桂三枝創作落語『暖簾』のあらすじ

心斎橋のある足袋屋がイタリア料理店に商売替えするとのこと。呉服屋銭亀屋の若旦那が話を聞くと、父親の了解も得ているという。父親自身も足袋屋ではやっていけないと思っていたが、養子である父親が商売替えするのはなかなか難しい。もう母親が他界してしばらく経つし、息子の代なら親戚からもあれこれ言われないだろうと、支援してくれるという。

銭亀屋の若旦那が自分のところも商売替えしたいというと、足袋屋の息子はそれはダメだという。銭亀屋は天明の時代から続いている、長い歴史のある店なのだ。銭亀屋の旦那も婿養子だが、嫁が他界してからますます暖簾を必死に守るようになっている。番頭も先代から続いている年寄りで、昔堅気で困っていると話す。

そこに噂の番頭がやってきて、旦那が店で倒れたという。急いで店に帰ると、旦那は息子に話したいことがあるから二人きりにしろという。親子が二人きりになると、旦那は死ぬ前にどうしても暖簾を守ってくれ、この話を聞いたらお前も気持ちがわかるはずだと昔の話をする。

五代目の旦那が遊び人で、娘が必死で店を守っていた。ある日、一人の男が反物を持ってやってきて、母親が病気だがお金がなくて困っている。一反だけでもいいから買ってくれと頼むが、対応した番頭は仕入れ先は決まっているからダメだと言って追い出し、もめたあげくに反物が通りに散らばってしまう。そこに外出していた娘が帰ってきて、親孝行な人だと感激し、反物を全て買い取った。

それから、男は反物を作っては店に持って行き、いつも買い取ってもらっていた。だが、一年半頃経ったときから急に来なくなり、7ヵ月後にまたやってきた。母親が亡くなってしまって、反物を作る気力がなかったのだが、どうにか元気が出てきたので持ってきたという。

だが番頭は、それを買うわけにはいかないという。なんと店じまいすることになったのだ。店は五代目の遊びで借金が重なり、五代目の後、娘が六代目を継いだが、重なった借金についに耐え切れなくなったのだ。六代目の娘も無理がたたって病にかかり、寝込んでいるという。でも、私の反物が売れているのではいかと男が聞くと、番頭はついてこいと蔵へ連れて行く。そこには男が作った反物があった。男が作った反物は売れなかったが、親孝行に感心した娘はそれでも買い取っていたのだ。

男は自分が認められていたと奢っていたのが間違いだったと気付き、この反物を自分に売らせてくれという。売れるものかという番頭だったが、男は反物を適当な大きさに切り、袋物用の布として売り出した。それが着物には派手だが、袋物にはちょうどいいと売れに売れた。男はそうやって布を売り、その後は娘の看病、その後には反物を作る、という生活を送り、どうにか借金を返した。後に二人は結婚して、男が七代目を継いで、それが今に続いているのだ。

そんな銭亀屋をつぶすわけにはいかないという旦那だが、若旦那は作り話だろうという。旦那はとにかく暖簾だけはつぶすな、しっかり継いでくれと言って、若旦那を頷かせてから息を引き取る。

後日、ある兄妹が心斎橋にやってくる。男は子供のころこの辺りに住んでいて、昔の心斎橋を知っているのだ。今日は妹が結婚するというので、せっかくだから幼馴染の銭亀屋で着物を作ろうとやってきたが、店が見つからない。探しているうちに、銭亀屋の旦那を見かけたので声をかける。妹の結婚のことを話して着物を見繕ってくれというと、銭亀屋の旦那はもう呉服屋はやっていない、今はソウルバーをやっているという。親父さんが亡くなったときに、暖簾をつぶすなと言って亡くなったと聞いているというと、銭亀屋は「そうだ。暖簾は守っている、ここを見てくれ。ソウルバー『銭亀屋』だ」というサゲ。

桂三枝創作落語『暖簾』の感想

家業のお店を続けていくのは難しい時代ですよね。古い商品を扱う店でなくても、大手のチェーン店などに押されているでしょうし、ましてや呉服や足袋などの商売はこうした商売替えも実際にあるのかもしれません。

桂三枝大全集 創作落語125撰 第60集」によると、この創作落語は平成9年に心斎橋の大丸とそごうで心斎橋筋の文化展をしたときに、心斎橋筋を題材にして落語を残せないかと持ちかけられて作った創作落語なのだそうです。江戸時代の頃も、今のCMのように自分の店を落語で取り上げてもらうことがあったと聞きますが、そういうケースは今でもあるんですね。

桂三枝創作落語『暖簾』が聴けるCD

桂三枝大全集 創作落語125撰 第60集
Copyright(c) 桂三枝の創作落語あらすじメモ All Rights Reserved.