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桂三枝の創作落語あらすじメモ

桂三枝の高座を実際に聞いて、面白いと思い、創作落語のCDを聴くようになりました。どの演目がどんな内容だったかという自分用のあらすじメモを兼ねて、桂三枝の創作落語を紹介していこうと思います。

CurrentIcon 『にわか易者』

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桂三枝創作落語『にわか易者』のあらすじ

40になっても定職につかずにフラフラしている青木に、先輩がちゃんとしろと説教をする。青木の奥さんの幸子さんはいい女性だったのに、ふらふらしている青木に愛想を尽かして、ついに娘を連れて出て行った。娘にも会いたくないのかと先輩が言うと、青木は嫁が知り合いが経営しているバーに勤めているので、働いている時間を見計らって娘に会っているという。娘は今年中学3年生で受験だからしっかりしろと言っているという青木に、お前がしっかりしろと先輩は注意する。

これまで先輩が紹介した仕事をことごとく辞めさせられた青木だが、先輩がそんなお前にもできる仕事を見つけてきたという。知り合いの易者が身体を悪くし、自分が街頭に立つことができないので、誰かやる人はいないか。占いは場所取りが大事だが、いい場所を確保している。知識については1日あれば大体のことは教えられるので、後は雰囲気でそれっぽいことをちゃらんぽらんに言える人はいないかという話を聞いて、先輩は青木のことを思い出したのだという。青木はできるかわからないが、やってみるという。

占いの知識を教えてもらって、街頭に立つ初めての日。さっそく「見てもらえるか」と言って男が寄ってきたので、「何を見ましょうか。失せ物、縁談、仕事、病気、、、」と青木が言うと、男は「目的地の場所がわからないから、地図を見てくれ」という。青木は「私も今日が初めてだからわからない」としか言えず、男は去っていく。

次に来たのは、金運を見て欲しいという男。怖い雰囲気の男で、手相を見るから左手を出してくれと言うと、その左手は指が少ない。青木が手相を見て、運命線がこれ、感情線はこれと言いながら説明すると、男は「感情線はこれではなく、これだ。俺は占いが好きでよく見てもらうから知っているのだ」と言って怒り出す。青木は「感情線はここからぐるっと回って伸びている。天王寺で乗換えだ」などと言って取り繕う。

「最近賭け事で当たり続けているのだが、先日競馬で絶対という情報を得て、それに大金を注ぎ込もうかどうか迷っている。それをどうすべきか知りたい」という男に、青木が「来年の9月に運が向いてくるから、今はやめた方がいい」という結果を出す。男が「もしこの情報通りに来たら、責任を取ってもらうぞ」と凄むと、青木は右手も見せてくれといい、「右手は今はやるべしと出ている」という。「右と左が違う結果なのでどうすべきかは自分で考えてくれ」と青木がいうと、男が「わからないから占いに来ているのだ」と言って怒るので、青木はもう一度左を見て「わからないときには他の占い師に見てもらった方がいいと出ている」とごまかす。

男が去った後、こんな調子では命がいくつあっても足りないので辞めようとつぶやいた青木だが、きれいな女性がやってきて、やる気を取り戻す。女性はスナックをやっていて、店は繁盛しているが、自分や従業員の身の回りでよくないことが立て続けに起こっているとのこと。どうすればいいかという女性に、青木は「来年の9月に運が向いてくるから、それまで辛抱するのがいい」という。店の向きなどもいいかげんなことをいろいろ言って、いざ見料を払うとなったとき、女性は「財布を忘れた。名刺を置いてくるから、ぜひ店に取りに来てくれ」と言って帰ってしまう。勧誘だったと気付き、青木はがっかりする。

次に来たのは酔っ払いの男。酔っ払いなら適当なことを言ってお金が取れるだろうと、青木は期待する。バーで働いていて、浅野ゆう子に似ている38歳の女性に恋しているという男の手相を見て、青木が「その女性は浅野ゆう子に似ている38歳の女性ですね」というと、酔っ払いはよく当たると大騒ぎするが、本当はわかっていて「自分が言ったことを繰り返しているだ」と突っ込む。

その女性の本名は幸子、中学3年生の娘がいるのだが、昔の旦那が働かずにフラフラしているどうしようもない男なのだと説明する酔っ払いに、青木が手相を見て「その旦那は今は仕事に就いて、一生懸命働こうとしている」というと、酔っ払いは「ワシの手相に何で相手の男のことが出ているのだ」と怪しむ。

青木はもう一度手相を見て、「あなたはその女性に見返りを求めず、ひらすらお金で援助すれば運が開ける」というと、酔っ払いは「それは無理だ」という。なぜかと青木が聞くと、「あんたに払う見料さえない」というサゲ。

桂三枝創作落語『にわか易者』の感想

占いを信じるか信じないかって、易者さんの説得力によるところも多そうですね。星占いなんか、信じたい内容だけ信じている人も多いのでは(笑)。もし一人の易者さんをずっと観察したら、この創作落語の登場人物のように、皆に同じことを言っている人もいるかもしれませんね(笑)。

桂三枝大全集 創作落語125撰 第61集」に収録されているもののマクラや、CDの解説にも三枝さんと桂小枝が街頭の易者に画数を見てもらった話が出てきます。桂小枝といっても、今の桂小枝ではなく、その前にすぐ辞めてしまった小枝がいて、その人のことらしいのですが。画数でいうと、全く同じ二人なので、易者さんも困っていたみたいです(笑)。

この創作落語は、最後の酔っ払いとの掛け合いが何と言ってもいいですね。ある意味、どうしようもない男同士の掛け合いで、そんな男性にばかり好かれる幸子さんがお気の毒(笑)。まあ、落語はどうしようもない男こそが面白いので、そんな二人の掛け合いを楽しんでくださいね。

桂三枝創作落語『にわか易者』が聴けるCD

桂三枝大全集 創作落語125撰 第61集
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