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桂三枝の創作落語あらすじメモ

桂三枝の高座を実際に聞いて、面白いと思い、創作落語のCDを聴くようになりました。どの演目がどんな内容だったかという自分用のあらすじメモを兼ねて、桂三枝の創作落語を紹介していこうと思います。

CurrentIcon 『日本一のコシヒカリ』

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桂三枝創作落語『日本一のコシヒカリ』のあらすじ

農業を営む親子。父親は「こんなに自然の恵みを直に感じられる仕事で幸せだ」というが、息子は「もういい加減、米を作るのはやめよう」という。大自然の中でいうなら父親のセリフもわかるが、ここは梅田から車で10分。他人からはどうせ税金対策だろうと思われるし、じろじろ見られるしで格好悪いというのだ。

すると、父親はそうやって馬鹿にしたりする人も皆、米を食べているのだと、息子を説き伏せる。しかも、地方の田んぼに比べて、ここは土地の値段が高い。うちのお米は日本一高いコシヒカリなのだ、と父親は自慢する。息子は、排気ガスが多いし、ビルに囲まれて日当たりが悪い、風通しが悪いしで、日本一マズいコシヒカリじゃないか、親父だってウチで作った米を食べていないじゃないか、と反論する。父親は食べないのは出荷用だからだし、自分のお祖父さんの代に田んぼの大部分をつぶして駐車場などにしてしまって、どうにか残っている田んぼだから絶対続けると言い張る。

親子喧嘩は続いて、息子は自分の名前も気に入らないという。父親は農業が好きでつけたのだが、「米田豊作」なんて恥ずかしいという。自分はまだしも、妹の「米田イネ」もひどいと文句を言う。それに農業をやっていると結婚相手も見つからない。農家ということを隠してスチュワーデスと付き合って、ばれる前に結婚しようとプロポーズして「YesかNoか」と聞いたら、「YesかNoかと訊く前に、あなたが農家じゃないか」と返された。その前に付き合っていた女性には、クリスマスに米をプレゼントして嫌がられた。

そうやって農業に文句をいう息子に、とにかく明日は小学校の生徒が田植えの見学に来る日だから、説明を頼むと父親は言う。息子が、そうやって勝手に決めると文句を言うと、父親は子どもに田んぼや自然のありがたさを伝えたいのだと説得する。それに引率の先生が可愛いと言って、息子の気を誘う。

その日の夜、息子がいないのでどうしたかと父親が妻に聞くと、ミナミに遊びに行ったという。遊びに行っただけではなく、明日着る服を買って、髪も切ってくると聞いて、明日来る引率の先生のために勝負に出たのだな、と父親も期待する。そこにマンションの管理人から電話がかかってきて、エレベーターに鍬を忘れていると連絡が入る。

それから半年後、稲刈りの時期になり、父親が息子に「明日は小学校の体験授業があるからよろしく頼む。引率の先生も可愛いぞ」と言う。すると、息子は「田植えのときの先生は可愛かったけど、妊娠していたじゃないか。もう騙されないぞ」と返事し、明日はしょうがないけど、明日で農業も最後だと宣言する。そこにマンションの管理人から電話がかかってきて、エレベーターに鍬を忘れていると連絡が入る。

体験授業の後、息子は気落ちしている。息子は引率の先生には期待せず、大きな麦藁帽子に頬かむりをして顔を隠し、汚れてもいい格好でいた。なのに、引率の先生はとてもきれいで、独身の女性だったのだ。あれでは感じが悪いだろうと落ち込んでいるのだ。すると、父親が実はそうでもないという。体験授業のあと、来年の打ち合わせに行ってきたのだが、そこで聞いたところによると、引率の石川先生の実家は新潟の大きな農家。都会の人は格好を気にしてばかりいるのに、息子のことを格好を気にせず男らしいと言っていたとのこと。

脈があるから、今度の休みに電話でもしてみろという父親に、息子がそう言われても連絡先を知らないというと、父親はおもむろにメモを取り出す。そこには電話番号から住所、果てはスリーサイズまでメモされていた。神戸に行って、豪華客船で素敵なディナーを食べて、ブランド物でもプレゼントでもしろという父親に、息子がそんな金はないというと、父親は封筒を取り出しこれを使えという。息子は感謝するが、開けてみると1万円しか入っていない。これでは全然足りないと息子が怒ると、父親は冗談だと言って、10万円を渡す。

それからしばらくしたある日、父親が息子に「お前もよく働くようになった」と褒めると、息子は話があるという。このたび結婚しようと思っているのだ、と息子が言うと、父親もよくやったと喜ぶ。そして、結婚を期に彼女が教師の仕事を辞めるというので、まさか二人で農家とは別の仕事を始めるのではないかと父親が心配すると、息子は彼女も仕事を辞めて農業をするという。父親が、二人でうちの田んぼを継いでくれるのかと喜ぶと、息子が「いや、彼女の実家の養子になって、彼女の家の田んぼで米をつくるのだ」というサゲ。

桂三枝創作落語『日本一のコシヒカリ』の感想

この創作落語の楽しみは親子の掛け合い。息子が若さゆえに、人目や格好を気にしているところを、父親が飄々と交わしていくのが楽しいです。

桂三枝大全集 創作落語125撰 第23集」の解説によると、三枝さんの自宅から大阪に向かう高速道路から、マンションと貸しビルに囲まれた田んぼがあって、そこから想像してこの創作落語ができたそうですよ。ネタの元となった田んぼはまだあるのでしょうか。気になるところです。

桂三枝創作落語『日本一のコシヒカリ』が聴けるCD

桂三枝大全集~創作落語125撰~第23集
桂三枝大全集 創作落語125撰 第23集
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